以前のエントリー「デザインの定義」に、
ヤマウチ君から真摯なコメントをいただいてから、 やはり言葉足らずだったかという思いと、さらに気付いたことがあったりで、 もう少しちゃんと書いてみようと思っていた。 そして、少し前の僕なら、ヤマウチ君の意見に大賛成だっただろうし、 今回のグッドデザイン大賞にも満足していただろうと思う。 そういった自分の変化に驚きつつも、とりあえず書いてみる行為。 (書いたのは先週のことなんだけどね) 大賞の『注射器』と、金賞の『加湿器』をみてみよう。 全体的な「設計」という点で評価されたと思われる『注射器』。 画期的な「意匠」という点で評価されたと思われる『加湿器』。 これらが同じ土俵で優劣を争っていることが僕には疑問だ。 同じデザインという意味での範疇で評価されているのだけれど、 蓋を開けてみると全く違う観点で評価されているのだ。 大きな事象も、小さな事象もデザイン。 これもデザイン、あれもデザイン。 @@@@ 電池サイズを選ばない懐中電灯『電池がどれでもライト』は、 アイデアは素晴らしいと思うけれど、「意匠」的に特別に優れているとは思えない。 『注射器』にしても『懐中電灯』にしても無駄がなくてシンプルでいいじゃないか。 という人もいると思う。僕もそう思う。でも、シンプルという言葉も厄介なのだ。 例えば、アップルのデザインはシンプルだけれど、ある意味「暴力的なシンプル」だ。 言い方を変えると、シンプルにする努力をしている。コスト、生産性を犠牲にしてもだ。 だから、自然にこうなったというような帰結的な簡素さではない。 僕はこういうシンプルさというものも「装飾」だと思っている。 こういうアップル的な「シンプル」と、帰結的な「簡素」さも同じ言葉で語られている。 @@@@ 分かったことは、言葉というのはとても厄介なものだということだ。 @@@@ デザインとは「整理整頓」だという人がいる... つづく...
by smpinkd
| 2005-11-07 12:59
| デザイン
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